大事だからこそ…
小学校に行くようになり、もう一ヶ月以上…
早いね。
学校の生活にも随分と慣れて、連休明けも喜んで学校に行ってる
宿題も毎日よくやっているし、学校からも大きな華丸をもらってくるよ
毎日長い道のりを通うのも本当に大変…
でも、登り坂もあっという間に登れるようになったね
この成長はたいしたものです…
短期間で随分と逞しくなった気がする
私と銀さんは、紅姉が帰ってくる時間にあわせて散歩がてら家を出ます
りんご園まで行って、紅姉さんが来るのを待ち、みんなで道草しながら帰るのが日課
こんなにのどかで、ゆったりとした幸せな時間は、子どもが小さいうちしかないだろうし…
私も普段あまり歩くことがないから
いい運動にもなって
いいことだらけ
これからも出来る限り毎日続けていきたい…
そう思ってた
ところが、前の晩に銀さんが原因不明の嘔吐で…元気だけど外出はやめておこうということになり…
「紅姉、ごめん、今日は迎えにいけないから一人で帰ってきてね」
と何気に話した途端…
「イヤダァ!
なんでぇぇぇぇっ」
と泣き出すではありませんかオイオイ
このところ紅姉さん多感でね…
従兄の兄ちゃんに怖い話を聞いたとかで…
1人で二階に行けないとか
戸が少しでも開いてると、すかさず締めにいったりとか
なんだか生活全てを怖がってる感じで…( ̄◇ ̄;)
あと学校で、不審者に対する注意の仕方とかを、実演見ながら学んだらしく…
一人で帰ったら変な人に連れて行かれちゃう
という恐怖心をリアルに持ったのでしょうか…
途中までは友達がいるけど、そこからは一人…
家まで500メートル位はあるかなぁ…
それが嫌で朝から泣いてた…
考えてみれば、普段、学校から家が近い子や通学路上に家がある子とかは、1人で長い距離を歩かくなんてあまりないよね…
そう考えてみると、子どもだけで、あの距離をりんご園まで歩いてくるだけでも、よく頑張ってるな…紅姉さんって感じなんだけど
でも、うちはここにあるんだから、仕方ないよね
歩くしかないのだ
楽しい時間だからと、迎えに毎日行ってたことが逆に紅姉さんを甘えさせてた気もするな
可哀想だけど…
一人で帰らなくちゃいけない場面なんて、これから沢山あるだろうしね…
ここは紅姉さんの頑張りどころだね…
怖いから嫌…
寂しいから嫌…
気持ちはよくわかる…
本当は、心で何かを感じて泣いてる子をみると、
可哀想…
助けてあげたい…
泣かせたくない…
今回の場合なら
迎えにいってあげたい…
そう思うんだけど…
私は、あえて自分の気持ちをギュッと抑え…
クールに話しかける…
「そんなに紅姉が怖いなら…ママだって迎えにいってあげたい
だけど、嫌でもやらなきゃならないときもあるんだよ…
紅姉の心に弱い気持ちがあるのだとしたら…
もし、迎えにいけそうでも…
今日はママは迎えにはいかない…。
ママは強くなってほしいから…
今日はあえて1人で帰ってきて…
自分で何とかしなさい。」
私はこれからも散歩がてら迎えにいってあげようとは思っている…
だけど、必要なときは、一人で帰ってくることも苦になくできるようになってほしかった…
普段は比較的子供の心を重視、尊重している私なので…
むやみに怒ったり、子供を大人の力で抑えつけたりはしない…(多分)
ただし、私の想いと紅姉さんの想いとに葛藤があった場合…
いつになく私は真剣な表情になる…
その空気を紅姉は瞬時に感じ取る…
私の真剣な眼差しと揺らぐことのない重たい言葉を聞いた瞬間…
紅姉に気合いが入る…
「うん、分かった!
ママ…
紅、頑張る!
一人で帰ってくる」
すべては経験…
経験が自信につながる…
大丈夫だったという経験が自分の力になる…
私も含め…
今は子育てに専念しているママが多いから…
ついつい
見なくてもいいところ…
手を出さなくてもいいところ…
自分で頑張らせなくちゃならないところ…
まで干渉しやすい…
そのラインが難しい…
私も日々悩んでいる…
本当に子供のため、子供の力になっているのか…
親の自己満足になってはいないだろうか…
午後3時半…
玄関先で紅の帰りを待つ…
そうはいっても私も心配性…
家の中でテレビを見ながら待ってるなんて出来なかったアチャ
坂の上から下の横道が見える…
風のように走り抜ける子が一人…
紅姉だ
ハァハァ息を切らして重たいランドセルを背負いながら全速力で500メートルずっと走って帰ってきた
家の前で座って待っている私を見た瞬間…
「うわぁぁぁぁん」
そりゃそうだ
ぎゅっと抱きしめながら
「よく頑張った
一人でも帰ってこれたじゃん
紅の強い力をちゃんと見せてもらったよ
顔も少しお姉ちゃんになったみたい
えらかったね」
と次の瞬間…
「おしっこぉぉぉ」
わあ
最悪だったね…
怖いし、寂しいし、ランドセル重いし、全速力で走らなくちゃいけないのに、おしっこ出そうだし…
紅はね…
すごく強い力のある子なんだ…
いつも真面目で、純粋で、弱虫で、気が小さくて、怖がりで消極的で…
年中の頃から妙に人を怖がるようになって…
だけど、心の奥にある、火事場のクソ力っていうやつ?
そいつを持ってる子だから…
ときとして、紅にはあえて厳しい道を与えている…
紅が大事だからこそ…
あえて泣かせている…
心を鬼にしてってやつなのかな…
家に入り…まったり
そこで弱音を一言…
「やっぱり一人で帰るのはもうやだなアハハ」
そうだね
それが本音だよね
でも紅の自信と力にはなったはず…
少しずつでいいから…
弱さの中に逞しさを…
育てていきたい…
ママが、たとえ意図的に突き放したとしても…
ママは必ず紅を想っているからね…
私の思い紅姉に届きますように…
おまけ
ユニセフ募金のチラシがランドセルに入っていて…
生きたい
学びたい
遊びたい
というフレーズに目が止まり、紅姉が読み上げていた
「ねえママ、生きたいってどういう意味?」
生きることさえできない子供たちが沢山いること…
働かされ、学ぶこともできない子供たちがいること…分かりやすく話してあげた
「ねぇ、紅姉…
この子たちの苦しい気持ちと…
紅姉が1人で帰ってくるのが嫌って気持ち…
比べてみてどう思う?」
「ママ
やっぱり、紅、一人で帰ってくるわ」
真面目で純粋…
うーん、単純?
それが紅姉さんのいいところかな
いい経験できました
よく頑張ったね
強く逞しく、生きる力をいっぱいつけてあげたいなぁ…
頑張れ
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